甘いのはご飯だけで十分
「塩辛いおかず+ご飯=旨い」
これが、日本の食の基本方程式である。
ご飯を食べるには、塩辛いおかずが必要だ。
逆に、塩辛いものを食べると、ご飯が欲しくなる。
互いに補い合う、必要十分の関係だ。
とんかつは、何もかけなくても美味しい。
だからこそ、必要な調味料以外はかけないで食べたい。
ソースは明らかに、やりすぎだ。
サーモンに醤油をかけるのと同じ理屈
塩辛い調味料なら、塩でもいいじゃないかという人もいる。
これは、間違いだ。
とんかつの油脂の旨味は、醤油をかけることで、より際立つのである。
サーモンに醤油をかけると、さらに旨くなるのと同じ理屈だ。
醤油のシャープなキレは、油のまろやかなコクとのコントラストを生む。
それが舌の上に乗ったとき、旨味を感じるのだ。
「塩は短し、ソースは長し」といったところである。
なぜソースをかけるようになったのか?
豚肉の臭みを消すためにソースをかけた説
ソースは、味のクセが強すぎる。
不味いものをごまかして食べるには、ちょうどいい調味料である。
昔の豚肉は臭みが強かったため、ソースをかけたと推測できる。
一方、現代の豚肉は、スーパーで100円のものでも美味しく食べられる。
もはや、ソースは役目を終えている。
ボリュームを出すためにソースをかけている説
とんかつにソースをかけるのは、カサ増しの意味もあるのではないか。
醤油では厚みが出ないから、インパクトに欠ける。
一方、ソースをかければ、豪華に見える。
おろしポン酢を乗せているのも、たまに見かける。
素直に醤油をかけた方が旨い。
かつ丼にしても、かつカレーにしても、見た目に騙されているようでならない。
騙されたと思って、醤油を試してみてほしい
試しに、醤油で食べてみて欲しい。
ソースより理にかなっているのだから、一定数はハマるはずだ。
多くのとんかつ店に、当たり前に、醤油が置かれる日を待ちたい。