1学期の試験はすべて赤点だった
中学では、自学自習をしなくても数学ができた。
高校の試験では、簡単な計算問題が姿を消し、問題の解き方を覚えないと解けなくなり、すべて記述が問われるようになる。
これができなくなった原因の最たるものだ。
チャート式などに載っている問題の解き方を覚えて挑んだつもりでも、試験で見る問題は、どれも初めて見る問題のように思えた(もちろん、実際には見たことあるはずなんだけど)。
どんな問題が出たかは覚えていないが、中間と期末の点数が、16点と21点だったということだけは覚えている。偏差値60の高校の中で、学内偏差値が40くらいだった。
夏休みの宿題で偏差値を20上げた
転機となったのは、夏休み前に宿題として配られた問題集だ。おそらく学校オリジナルのものと思われたその問題集には、巻末解答はあったが、解き方の解説がついていなかった。
だから、手元のチャート式を調べたり、時には本屋に行って問題集を立ち読みしたりして、類似の問題を探した。
全く同じ問題ではないから、「もしかしたら、この解き方が使えるのではないか」という直感を手がかりに、自力で問題を解いていった。穴埋めパズルをしているような感覚で、解答記述欄がどんどん埋まっていくのが楽しかった。
そのおかげで、夏休み明けの試験で、学内偏差値が60を超えた。数学が苦手ではなくなったのは、このときからだった。
自分なりの仮説を立てることが大事
この体験から言えるのは、自分なりの仮説を立てることが大切だということだ。
「やっても無駄ではないか」「失敗したら恥ずかしい」「面倒くさい」と考えて、自分なりの答えを出すことを躊躇ってしまうことはないだろうか。
数学に限らず、スポーツでも、それが得意な人たちは、自分なりに再現することから始めるはずだ。もちろん、上手い人はちょっと真似しただけで習得してしまうが、下手でも臆せずにやってみた方がいい。
苦手な人ほど、最初の一歩を踏み出すのを躊躇っていることが多く、それこそができない原因だったりする。
数学の場合、いきなり自分で解くのは難しいから、他の問題集で類題を探したり、ヒントを活用したりするのが良い。「この問題の類題ではないか」「この考え方が使えないか」と仮説を立てて、自分なりの解答を作ってみよう。
教科書傍用問題集は使える
学校で配られる教科書傍用問題集と呼ばれるものがある。『4STEP』『サクシード』『3TRIAL』『4プロセス』『クリアー』などの、教科書に準拠した演習用の問題集である。
問題と解説が別冊になっていて、学校で解説の冊子が配られないことが多い。
これは一見するとデメリットでしかないが、この記事で書いたことをふまえると、結構使える問題集であることが分かる。
これらの問題集を、チャート式で調べながら、自力で解きまくるといいだろう。授業中に問題を当てられたり、ここから定期テストに出たりということもあるので、意外とコスパは悪くない。
授業を無視して、勝手に解きまくるのもいいだろう。